ぬるぽの書斎

オリジナルで小説書いてます。是非コメントを頂けたらと思います。

Smoke & Guns 2-2

「ただいまー。」 声色でサプライズが両親にバレないようにいつものトーンでいつも通りに玄関の扉を黒崎は開けた。 「おかえりー。」 と聞こえるはずの声が今日は聞こえない。 まさか悟られたのか、家にいないはずはない。 そんな黒崎の心配は無用だった。 …

Smoke & Guns 2-1

2.動き出した歯車 静まり返った部屋の中、携帯電話のコール音だけが響いた。 1コール、2コール、3コール。 4コールが終わらないうちに電話口の向こうから声が聞こえた。 「もしもし。」 女性の声だった。 相手の性別は特段驚くことではない。 黒崎優夜は相手…

Smoke & Guns 1-1

1.prologue 「ふーっ。」 右手の人差し指と中指でお気に入りのラッキーストライクを口元から離しだらんと腕を下ろした黒崎優夜は長い一息を吐いた。 バルコニーの手摺に肘を付いた左手にはエメラルドマウンテンの缶コーヒー。 毎日の朝の週刊である。 ふとバ…